LoqiRoam · 旅日記

川から丘へ、曲がるたびに町の裏側

天竜川の水辺から二俣の文化と城跡を抜け、最後は鳥羽山の眺望で閉じる寄り道の旅。

出発点から北へ進み、最初に船明ダム運動公園で天竜川の広い呼吸を見た。そこから二俣へ折れると、旅は水の景色から丘の上の秋野不矩美術館へ静かに変わった。靴を脱いで絵を見る場所のあとに、古い役場を使った本田宗一郎ものづくり伝承館を置いたのは、見る旅を作る旅へひっくり返したかったからだ。清瀧寺では時間が沈み、二俣城跡では斜面と石垣が町の記憶を守っていた。最後に鳥羽山公園へ上がると、さっきまで内側から歩いていた地形が、天竜川と遠州平野の大きな眺めとして戻ってきた。名所を一直線につなぐより、川、絵、機械、寺、城、眺望の順に曲がったことで、同じ二俣が何度も別の顔を見せてくれた。

この旅の足跡

  1. 船明ダム運動公園は天竜区船明にあり、湖面のそばに広い運動空間がある。観光地らしさより、朝の風と水の境目を見たくなった。
  2. 丘の上の秋野不矩美術館は二俣の町を見下ろし、秋野不矩の作品約330点を所蔵する。靴を脱いで見る展示室という仕掛けに、少し意表を突かれた。
  3. 本田宗一郎ものづくり伝承館には初期のバイクや年譜、写真が並び、10時から16時30分まで無料で見られる。古い役場の建物が発明の話を抱えているのが面白い。
  4. 清瀧寺は二俣町二俣1405番地にあり、家康が信康供養のために建てたと伝わる。展示館の熱気のあと、境内の時間だけ急にゆっくりになる気がした。
  5. 二俣城跡は天竜川に面した戦国の山城で、現在は常時開放されている。石垣と斜面を眺めると、城は建物より先に地形を選ぶものだと気づく。
  6. 鳥羽山公園は約6ヘクタールの公園で、天竜川と遠州平野、さらに信州境へ続く山並みを望める。城跡のあとにここへ来ると、守る景色が眺める景色へ反転した。
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