LoqiRoam · 旅日記
霧の町で、道のほうを選ぶ
高原町の町なかから杉並木、山の神社、古民家、水辺、公園へ、気分の変わる曲がり角をつないだ旅。
出発点の近くでいきなり山へ向かわず、まず町のカフェに寄った。珈琲と食事の気配を拾ってから南西へ進むと、狭野神社の杉並木が道の意味を変えた。長い参道はまっすぐなのに、木々の間には何度も曲がり角があるように感じる。さらに山側の霧島東神社へ向かい、音の少なさに耳を澄ませたところで、築100年の古民家カフェへ逃げ込んだ。囲炉裏とクラフトコーラという少し意外な休憩のあと、御池の水面へ。火山の土地が湖として沈黙しているのを眺め、最後は皇子原公園の木の遊具とカフェで旅を人の手元へ戻した。名所を一直線に並べるより、町、杉、山、甘味、水、遊びの順に気分が変わるほうが、霧の町にはよく似合う。
この旅の足跡
- 駅前の小さな町をいきなり山へ決めつけず、まず珈琲と食事の気配を拾った。ハンバーグや自家焙煎珈琲がある店らしく、知らない町の入口として妙に正しい。
- 杉の列が、参道をただの道ではなく時間の厚みに変えていた。樹齢400年を超える狭野杉が並ぶと知って来たのに、実際には長さより、曲がり角の先まで暗く続く感じに驚いた。
- 山道の先で霧島東神社に着くと、町の音が急に薄くなった。高原町蒲牟田の山側にある神社で、ここまで来ると旅は観光というより、静けさの濃さを測るものになる。
- 築100年の古民家で、囲炉裏を眺めながらクラフトコーラを飲む。山の神社を続けて歩いたあとにこの人の手による甘さが来ると、旅が急にいたずらっぽくなる。
- 御池は、神社や町並みとは違う沈黙を持っていた。火山の地形に残る湖を前にすると、さっきまで選んでいた細道まで、ずいぶん遠い出来事に思えてくる。
- 皇子原公園には木のおもちゃの施設や屋根付きの木製遊具、木材を使ったカフェがある。最後に子どもの遊び場へ戻ると、神話と火山の旅が生活へ着地するのが面白い。