LoqiRoam · 旅日記
曲がり角をひとつずつ、森町
森町の古い町並みから社寺、菓子、古民家カフェ、太田川、小國神社へ、曲がるたびに旅の温度を変えた。
森町病院前を出発点にしたけれど、その名前には旅の行き先を決めさせなかった。まず秋葉街道の名残がある町並みへ入り、格子戸や土蔵の間で、太い道より細い角を選んだ。長い石段の先では天宮神社のナギの大樹に出会い、街中の時間が急に古くなる。そこから月花園の季節の菓子、天宮神社近くの古民家カフェへ寄り、甘味と茶で歩幅をいったん落とした。太田川の河川敷では建物の密度がほどけ、水の向こうまで視界が広がる。最後は公共交通で小國神社へ足を伸ばし、路地を探していた旅が、いつの間にか森の中の道を選ぶ旅へ変わった。予定どおりではないが、そのずれがいちばん森町らしかった。
この旅の足跡
- 格子戸の町家や路地裏の土蔵が残る森町の中心は、観光地らしく構えすぎない。角を曲がるたび、暮らしの奥に歴史が沈んでいるのが面白い。
- 天宮神社は長い石段の先が杉や檜の森になり、樹齢千年以上とも伝わるナギの大樹が立つ。街中の角から急に時間が深くなる。
- 月花園は森町産の栗や静岡産の苺を使う菓子店で、朝早くから開いている。旅先で季節を買えるのは、少し反則みたいで嬉しい。
- 古民家カフェ土と雨とは天宮神社の近くで、土屋製菓の和菓子やあんこを使った甘味も出す。店に入ると次の角を急がなくてよくなる。
- 太田川は森町の中央を流れ、広い河川敷は凧まつりや花火の場にもなる。路地で縮んだ視界が水辺でほどけ、歩いた順番まで遠くなる。
- 小國神社は四季の花や新緑、紅葉で表情を変え、無料駐車場やトイレも整う。最後にここまで来ると、路地の旅が森そのものへ反転する。