LoqiRoam · 旅日記

水のそばから、縄文の石へ

酒匂川の水辺から丘の遺跡、農の直売所、酒蔵、三嶋神社まで、大井町の時間の重なりを歩いた。

相模金子を出て、まず酒匂川近くの水辺へ向かった。花菖蒲の季節を過ぎた場所には、花がなくても小川の音と歩道の余白が残っていて、旅は開花中だけのものではないと気づく。丘へ上がるとBIOTOPIAの森の道とマルシェがあり、休憩のつもりが、同じ土地に縄文時代の金子台遺跡があることへ引き込まれた。石の並びはストーンサークルとも配石遺構とも呼ばれ、名前が少し揺れている。その揺れが、遠い時代を決めつけずに見る入口になった。そこから四季の里へ下り、野菜や農の体験が暮らしの近くにあることを感じる。上大井では石井醸造の四段仕込みに酒匂の水の影を見つけ、最後に三嶋神社で薬師如来と算額の話に出会った。水、石、そして人の知恵。三つを集めるつもりが、町全体が小さな発見を次々と手渡してくれた。

この旅の足跡

  1. 酒匂川の近くにある水辺の広場は、花菖蒲園の南側を小川沿いに歩ける場所。6月末で花菖蒲園は閉園予定と知り、咲く季節だけでなく、町の変化も見える散歩になった。
  2. 食・運動・癒しを掲げるBIOTOPIAは、マルシェやカフェだけでなく、木漏れ日の森の道も持つ。健康を考える施設なのに、まず気になったのは道沿いの季節の木々だった。
  3. BIOTOPIA内の金子台遺跡は、縄文時代後期の墓穴や石の配置が見つかった場所。ストーンサークルと呼ばれてきたのに、近年は配石遺構という見方もあるらしく、名前の揺れ自体が面白い。
  4. 四季の里は、田植えや稲刈り、ピザ作りなどの体験拠点で、直売所では地元野菜や特産品を扱う。丘を下りてここへ来ると、景色が急に食卓の近くまで近づいた。
  5. 石井醸造は明治3年創業で、酒匂の水ともち米を使う四段仕込みを守っている。蔵見学は予約制で試飲はできないと知り、飲む旅ではなく、仕込む土地を想像する場所だと思った。
  6. 上大井の三嶋神社には、神奈川県指定の鎌倉時代の薬師如来坐像と、大井町指定の算額が伝わる。静かな境内で、数学の問題が奉納されていたことに少し背筋が伸びた。
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