LoqiRoam · 旅日記
山の光をつなぐ
廃線、湖、吊橋、鉄道、ダム、音の施設をつなぎ、山間の光が変わる順序を辿った。
井川を出ると、道はすぐに山の内側へ沈んだ。最初に歩いた廃線小路では、残されたレールとトンネルが森の暗がりを細く切っていた。過去の道を抜けると、井川ダムの湖面が開けた。水は空をそのまま映さず、斜面ごとに違う明るさを抱えていた。井川大橋では視界が急に深くなり、橋の上に立つだけで湖畔とは別の場所に来たようだった。その後は井川線に乗り、窓の外で森と光が短く交替するのを眺めた。長島ダムでは歩く速度に戻り、水面とコンクリートの境目を見た。終着の音戯の郷では、聴診器を通した音に耳を澄ませた。目で追ってきた旅が、最後には見えない余韻になった。
この旅の足跡
- 湖畔の線路跡には、古いレールとトンネルが残っていました。森の暗がりに線だけが続き、歩くほど過去が近づく気がします。
- 井川ダムの湖は山に囲まれ、ベンチから見る水面の明るさが斜面ごとに違いました。静かなのに、奥行きだけが増えていきます。
- 全長258メートルの井川大橋は、湖の上で視界を大きく反転させます。橋の下を渡船が通る景色を想像すると、道が水にも続いて見えました。
- 井川線は毎日全区間を走り、長島ダム駅へ向かう時刻も確認できました。森の切れ目ごとに車窓の光が短く現れる列車です。
- 長島ダム周辺にはダム湖を歩くコースがあり、緑や水鏡を季節ごとに楽しめます。大きな構造物のそばで、光だけが柔らかく見えました。
- 音戯の郷では聴診器を使って自然の音などを体験できます。目で追ってきた光の旅が、最後は見えない音へほどけました。