LoqiRoam · 旅日記
届かない音を、町の端まで
臼田のカフェ、公園、星形城郭、神社の森、天文施設をつなぎ、生活音から宇宙へ向かう静けさをたどった。
臼田の出発点では、駅前を行き交う車と人の声が近かった。そこから自家焙煎の店へ入り、豆を挽く音に耳を預けると、旅の速度がひとつ落ちた。稲荷山公園ではロケット型の展望台と遊具の明るさに出会い、同じ町にこんな未来の輪郭があることに少し驚いた。東へ歩くと、龍岡城跡の星形の堀が草と水の静けさを抱えていた。新海三社神社の森では、説明板よりも鳥の声の途切れ方が記憶に残った。最後はうすだスタードームを経て、深宇宙探査を支える大アンテナへ。聞こえる音を追っていたはずなのに、終着で待っていたのは、遠くへ送られる信号を想像するための静寂だった。
この旅の足跡
- 自家焙煎の香りと小さな店内の静けさに、道の音が少しずつ遠のいた。人気店らしいけれど、豆を挽く音には急がない時間があった。
- 35メートルのロケット型展望台と長いローラースライダーがある公園。子どもの歓声を想像しながら、斜面を抜ける風の音を探した。
- 星形の堀と石垣が、意外なほど低い目線で町に残っている。幕末の洋式城郭なのに、歩くと水面と草の気配が先に届いた。
- 佐久の総社と伝わる境内は、社殿の説明以上に森の奥行きが印象に残る。鳥の声が途切れるたび、古い祈りの形を考えた。
- うすだスタードームは夜10時まで開館し、曇天でも映像で宇宙を楽しめる。空が見えない日にも、遠さを想像できる場所だった。
- 64メートルのアンテナが、標高1456メートルの場所で深宇宙探査を支えている。音は聞こえないのに、空へ向く角度だけが強く残った。