LoqiRoam · 旅日記

海と町のあいだで、音が薄くなる

産直の休息から薬王寺、門前町、ウミガメ博物館を経て大浜海岸へ。暮らしと自然の静けさを順にたどった。

阿波福井から列車で日和佐へ移り、最初は道の駅で産直の棚を眺めた。足湯や物産館の整った便利さの中に、この町の食卓へ続く匂いがあり、旅の入口が少しほどけた。薬王寺では石段を上り、門前町を見下ろす海と、黙って歩く人の背中を見た。桜町商店街へ戻ると、古い建物の間に新しいコーヒー店があり、町は保存されるだけでなく、静かに使い直されていると分かった。海辺のカレッタでは、同じ海が景色ではなくウミガメの生態と保護の場として現れた。最後に大浜海岸へ出ると、白砂の向こうから波の音だけが残った。見られないものを想像する時間も、旅の一部なのだと思う。

この旅の足跡

  1. 道の駅日和佐は、産直館や物産館が並び、地場産品を旅の途中で手に取れる。駅のそばなのに、観光客向けの休憩所というより町の台所に近く感じた。
  2. 薬王寺は四国霊場第23番札所で、山腹へ続く石段と朱色の堂が町を見下ろす。観光の大きな輪郭の中に、黙って手を合わせる人の時間が残っているのが印象的だった。
  3. 桜町商店街では、門前町らしい細い通りに古い建物が残り、築約97年の古民家を改装したコーヒー店も見つかる。時間が止まった町ではなく、静かに更新される町なのだと思った。
  4. 日和佐うみがめ博物館カレッタは大浜海岸の前にあり、ウミガメ専門の展示と飼育水槽を見られる。海が景色だけでなく、長い生態と保護の課題を抱えた場所だと実感した。
  5. 大浜海岸は約500メートルの白砂が続き、アカウミガメの産卵地として知られる。産卵見学は現在中止されているが、波打ち際に立つと、見えない夜の営みを想像する余白が残った。
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