LoqiRoam · 旅日記
線路の先で、色がほどけた
神海駅から樽見線沿線を進み、線路、桜、寺、淡墨桜、山の味をめぐった。
神海駅を出たときは、駅前の看板や屋根の色を少し集めるつもりだった。ところが、すぐに山の緑と線路の細い銀色が目に入り、旅は駅の前だけでは足りなくなった。高科駅へ向かう道では空が広がり、谷汲口では桜の季節を想像しながら、咲いていない枝にも春の気配を見つけた。谷汲山華厳寺の参道に入ると、にぎわいは静かな朱と木の茶色に変わった。そこから樽見方面へ進み、淡墨桜の色が桃、白、墨へ移ると知る。最後は道の駅で山の味とお土産を眺め、歩いてきた色を一つずつ思い出した。駅前から始めた旅なのに、終わるころには季節そのものを拾っていた。
この旅の足跡
- 駅を出ると、山の緑の中に線路が細く伸びていた。静かなのに列車の行き先だけは遠そうで、最初の一色がもう旅の色になった。
- 高科駅へ向かう線路は、町の中心を離れるほど空が広くなった。駅名の響きは素朴なのに、山の斜面と鉄橋の組み合わせが少し映画みたいだ。
- 谷汲口の線路沿いは、桜の季節になると列車が花の中を抜けるように見えるらしい。今は枝の形を眺めながら、咲く前の色も悪くないと思った。
- 谷汲山華厳寺の参道は、店の軒が続く道の先に山の静けさが待っている。青銅の鯉に触れる習わしもあり、見物だけで終わらない感じが面白い。
- 淡墨桜は、つぼみの淡い桃色から満開の白、散り際の墨色へ変わるという。一本の木で色の旅ができると知って、駅前の色集めが急に深くなった。
- 道の駅では、山道の緊張がほどけて、地元の味やお土産の色が並んでいた。営業時間も確認できたので、最後に安心して休める場所になった。