LoqiRoam · 旅日記
山の静けさ、泡、海の小さな水槽
みやまの農産物、清水山の庭、炭酸泉と羊羹、有明海の生きものをつないだ寄り道の旅。
開駅を出ると、道は思ったより早く農の景色へほどけていった。道の駅みやまでは、セロリや山川みかんが並ぶ直売所に出会い、観光地へ向かう前から土地の暮らしが旅を始めてくれた。そこから清水山へ上ると、空気の粒が変わる。清水寺本坊庭園では心字池と借景の山が一枚の絵のように重なり、道の駅の明るさとは別の時間が流れていた。山を下る途中で長田鉱泉場へ寄ると、今度は目に見えない炭酸泉が主役になる。すぐそばの羊羹店では、その不思議な水の余韻を甘さで受け止めた。最後は柳川の小さな有明海水族館へ。山の緑、泉の泡、海の生きもの。大きな名所を制覇したわけではないのに、景色の切り替わりが三つの小さな発見をきれいに結んでくれた。
この旅の足跡
- 道の駅みやまは国道沿いなのに、直売所にはセロリや山川みかんが並ぶらしい。旅の最初から、道そのものが食卓に近いのが面白い。
- 雪舟ゆかりと伝わる清水寺本坊庭園は、心字池と愛宕山を借景にする庭。山道を上った先で、景色が急に静かになる感じを想像した。
- 長田鉱泉場には日本でも珍しい高濃度の炭酸泉が湧くという。山の寺のあとに、目に見えない泡の存在を確かめる寄り道が生まれた。
- 長田鉱泉場から徒歩すぐの田中羊羹本舗は、みやま唯一の羊羹専門店。炭酸泉の次に甘味が来る順番が、旅の地図を少しおかしくして楽しい。
- 柳川の小さな有明海水族館では、魚の餌やりや貝がらアートもできる。最後に海の生きものを加えると、みやまの山道が別の水辺へ開いていく。