LoqiRoam · 旅日記
海へ曲がる日
相浦の小さな休憩から港、展示、低い展望所を経て、九十九島の丘で旅を俯瞰した。
上相浦では、最初から名所へ向かう気になれなかった。相浦の町へ下り、直売所の横の小さなカフェで甘いものを選ぶ。そこから相浦港へ出ると、さっきまでの軽やかさが船のエンジン音に押され、海は観光の背景ではなく、誰かの出発を支える場所に変わった。公共交通で鹿子前へ移り、海きららとビジターセンターで九十九島の自然を少し近くから眺める。けれど、展示を見たあとに選んだのは、華やかな施設に戻る道ではなく、船越展望所への寄り道だった。低い場所から迫る島影は、天気ひとつで墨絵にもなるらしい。最後は九十九島観光公園の丘へ。歩いた道を上から見下ろすと、迷いながら選んだ曲がり角が、ちゃんと一つの海へ続いていた。
この旅の足跡
- 相浦町のよかばい相浦に併設されたminiよかフェは、クレープやソフトクリームだけでなく相浦バーガーまであるらしい。港町の入口でこの寄り道は少し得をした気分だ。
- 相浦港は黒島方面へ渡る海の玄関口で、堤防の向こうに九十九島の海域が続く。観光施設の眺めとは違い、船の出入りを待つ時間そのものが景色になる。
- 九十九島パールシーリゾートでは、海きららや遊覧船が九十九島の自然を別の角度から見せてくれる。ここで初めて、さっきの港が大きな海の入口だったと気づいた。
- 九十九島ビジターセンターは入館無料で、手作り展示や触って体感できる企画がある。島の数を数えるより、海と緑の不思議を近くで覗ける場所だった。
- 船越展望所は九十九島八景の中でも標高が低く、島が眼前に迫る展望所だという。晴天の名所と思っていたのに、雨なら墨絵になるという説明に惹かれた。
- 九十九島観光公園の眺望の丘は約4.7ヘクタールの芝生が広がり、九十九島を大パノラマで見渡せる。最後に来ると、今日の曲がり角が全部ひとつの湾へ戻っていく。