LoqiRoam · 旅日記

看板の文字から、黒湯の駅まで

東総元の駅名から大多喜の商家と神社、城跡を巡り、養老渓谷の食と黒湯の足湯へ。文字を追う散歩が地形と温泉の記憶になった。

東総元駅では、まず駅名の看板と線路の向こうへ続く里山の道を眺めた。出発点は静かだったが、いすみ鉄道に乗って大多喜へ向かうと、景色の中の文字が少しずつ商いの文字に変わっていく。大多喜町商家保存資料館では、明治初期の土蔵造り商家が今も資料館として使われ、古い店構えの内側に茶屋や体験の気配があった。そこから夷隅神社へ歩くと、通りの看板の賑わいが社殿の静けさへ切り替わる。大多喜城への坂道では、町を読むつもりが地形を読むことになり、屋根の重なりが遠くまで見えた。午後は列車を乗り継いで養老渓谷へ。山の駅でそばやアユの案内を眺めながら休み、最後は養老渓谷駅構内の黒湯の足湯で歩いた足を温めた。看板を探していたはずなのに、帰りに残ったのは、曲がる道の理由と水辺の気配だった。

この旅の足跡

  1. 東総元駅は、いすみ鉄道の線路と里山の道が近くにある小さな起点。駅名の看板を見た瞬間、ここからどの集落へ文字が続いているのか確かめたくなった。
  2. 大多喜町商家保存資料館は、明治初期の土蔵造り商家を活用した場所。古い店構えの内側に茶屋や体験の気配があり、看板が商売と暮らしの境目だったことを想像した。
  3. 夷隅神社は新丁にあり、素戔嗚尊を祀ると伝えられる。城下町の通りから社殿へ入ると、商いのざわめきが急に薄れ、なぜこの場所が氏神になったのか考えた。
  4. 大多喜城は本多忠勝ゆかりの城下町を象徴する高台の史跡。坂を上がる途中で町の瓦屋根がほどけて見え、看板を読む散歩が地形を読む散歩に変わった。
  5. 山の駅 養老渓谷 喜楽里では、養老食堂のそばや炭火のアユを扱い、食事の営業時間も案内されている。山道の看板を眺めてきた後なので、ここでは匂いが先に旅を進めた。
  6. 養老渓谷駅の足湯は駅構内にあり、黒湯と呼ばれる茶褐色の源泉を使う。最後に足を温めると、今日見た看板よりも、道の曲がり角と川の気配が記憶に残った。
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