LoqiRoam · 旅日記

笠間、道を決めない午後

門前町から歴史建築、カフェ、美術館、森の陶造形、工芸へつないだ笠間の寄り道旅。

笠間に着いた時点では、町の中心へまっすぐ行くつもりだった。けれど最初の角で門前通りの細さが気になり、笠間稲荷の境内へ入り、そこから明治の旅館を生かした井筒屋へ流れた。喫茶去で笠間焼の器に触れたところで、旅は名所巡りではなく、町の使われ方を覗くものに変わった。日動美術館では絵画より先に庭の彫刻へ足が向き、さらに芸術の森では、森の中に潜む陶造形を探すことになった。最後に工芸の丘で土と器へ戻ると、遠回りが最初から決まっていたようにも、全部その場の気まぐれだったようにも思える。笠間は、曲がった先で静かに表情を変える町だった。

この旅の足跡

  1. 朱色よりも、境内の奥で木々に囲まれた本殿の落ち着きが先に残った。門前通りへ戻ると、参拝と買い物が同じ細道に重なっていて面白い。
  2. 明治期の木造三階建て旅館を再整備した井筒屋は、通りの角で急に時間の厚みを増す。二階の歴史展示を見て、旅館が町の案内所になる不思議を考えた。
  3. 笠間焼の器で地元の旬を味わえる喫茶去は、古い町並みの中の小さな呼吸のようだった。何を頼むか迷う時間まで、旅の一部になった。
  4. 約3000点を収蔵し、企画展示館だけでなくフランス館や野外彫刻庭園まで続く美術館だった。絵を見るつもりが、庭の彫刻に歩く速度を決められた。
  5. ヒノキの森の中に陶造形作品が点在する陶の杜は、作品を見るというより森の奥で偶然見つける感覚に近い。触れてよい展示があることにも驚いた。
  6. 笠間工芸の丘は、笠間焼や工芸品を買えるだけでなく、ふれあい工房で制作体験もできる場所だった。森を歩いた後だと、土が急に近いものに見える。
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