LoqiRoam · 旅日記

曲がり角の先で、海まで

東山代から眺望、窯元、市街地、川辺のカフェ、社寺、山の展望、港側の公園へ進み、道の曲がり方そのものを旅の手がかりにした。

東山代を出て、駅の名前に旅を預けすぎないことにした。最初に高みへ上がると、伊万里湾と町の道筋が遠くに見え、行き先を決める前から少し迷えた。大川内山では窯元の谷へ入り、器の模様よりも、店先へ続く坂と煙の記憶に惹かれた。市街地へ下りると、古伊万里の通りと白壁の小径が、作る場所と商う場所をつないでいた。川沿いの古い建物で休み、器の手触りからお菓子の神さまの由緒へ曲がったところで、旅は予定より柔らかくなった。最後はもう一度高みから町を見て、港側の公園へ向かった。海風の中では、長い歴史も草スキーの斜面も、同じ町の今日として並んでいた。

この旅の足跡

  1. 標高450mの竹の古場公園は、約1万株のツツジで知られ、伊万里湾を見渡せる高みにある。駅からいきなり山へ曲がるのは少し無茶だが、町を先に俯瞰してみたくなった。
  2. 大川内山では、鍋島藩窯の歴史を背景に窯元が谷間へ集まっている。築120年の店も営業を続けていて、焼き物は展示品というより、曲がりくねった町の生活に見えた。
  3. 古伊万里の積出港として栄えた伊万里の町には、古い通りと今の商店が重なっている。白壁の小径を曲がると、磁器が海へ向かった時間が急に近く感じられた。
  4. 伊万里川沿いのLIB COFFEE IMARIは、築130年の建物を改修したカフェで、肥前窯業圏の器を使う。古い水運のそばで飲む一杯は、予定より長い休憩を誘った。
  5. 伊萬里神社の境内には、お菓子の神さまを祀る中嶋神社がある。港町の社寺で甘味の由緒に出会うとは思わず、道の曲がり角が急に昔話へ変わった。
  6. 大平山公園の標高331mの展望デッキからは伊万里湾を眺められ、晴れれば壱岐や対馬まで望める。歩いた町をもう一度遠ざけると、迷いも地図の線になった。
  7. いまり夢みさき公園は山と海に囲まれ、伊万里港を思わせる船形遊具や45mの草スキー場がある。港の物流を眺めながら、旅の終わりに少し子どもっぽい風を選んだ。
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