LoqiRoam · 旅日記
羽島の静けさは、音の遠近にあった
竹鼻の祭礼、郷土資料、町屋、公園、水辺をつなぎ、羽島の静けさを生活の遠近として記録した。
羽島市役所前から歩き始め、まず竹鼻まつり山車会館で、祭りの日を待つ山車の装飾を見た。きらびやかな幕を前にしても、館内には祭りの喧騒がなく、むしろ不在の時間が強く感じられた。歴史民俗資料館・映画資料館では、輪中や円空の資料と映画ポスター、大型映写機が同じ場所に並び、土地の暮らしと娯楽の記憶が思いがけず近かった。不二竹鼻町屋ギャラリーへ寄ると、大正期の町屋の格子や奥行きが、展示品とは別の静かな作品のように見えた。そこからコスモパーク羽島へ移り、俳句庭園と木陰で歩く速度を落とす。最後は少し足を延ばして桜堤サブセンターへ。背割堤の大きな空と、地下水のせせらぎの細い音が、町で見た記憶を遠くへ運んだ。
この旅の足跡
- 竹鼻まつり山車会館には、金銀や色糸で飾られた実物の山車が常設展示されている。祭りの日でなくても、町が春を待つ時間を想像できた。
- 羽島市歴史民俗資料館・映画資料館は、円空や輪中の資料と映画ポスター、大型映写機を併せて展示する。郷土史と映画史が同じ建物で重なる意外さが残った。
- 不二竹鼻町屋ギャラリーは、大正3年築の京町屋式民家を活用した展示空間。美術品だけでなく、格子と奥行きのある間取りが、竹鼻の町並みを内側から見せていた。
- コスモパーク羽島は約2haの都市公園で、万葉庭園や俳句庭園、地下水の井戸がある。遊具の賑わいの隣に、言葉を置きたくなる木陰があった。
- 桜堤サブセンターでは、木曽川と長良川を分ける背割堤の近くに、地下水を使った約200mのせせらぎが続く。大河川の緊張感と子どもの水音が同居していた。