LoqiRoam · 旅日記

直線を疑って、山の上で答え合わせ

本町の広場から蛇行する通り、神社、音楽の記念館、美術館を経て、信夫山の展望へ。歩く速度を変えながら福島の街を立体的に味わった。

出発点では、駅前の道をそのまま歩けば早いと思っていた。けれど本町のまちなか広場で足を止め、芝生と人のための余白を見た瞬間、今日は急がないことにした。蛇行するパセオ470では、道が車のためだけに作られていないことを感じ、次の角をわざと見落とした。福島稲荷神社では古い地形の記憶に触れ、古関裕而記念館では紙の上の音楽に耳を澄ませた。そこから県立美術館へ移ると、街のざわめきが緑の余白にほどける。最後は信夫山の烏ヶ崎展望デッキまで上がった。駅も高架も、さっきの細道も、上から見ると一枚の景色だった。曲がり角は遠回りではなく、街を立体にする装置だったらしい。

この旅の足跡

  1. 本町17番1のまちなか広場は、芝生に座れる街なかのオアシス。キッチンカーの気配を想像しつつ、駅から数分で空気が変わるのが面白い。
  2. パセオ470は旧すずらん通りを改装した歩車共存道路で、車道が緩やかに蛇行する。まっすぐ歩くはずが、道のほうから寄り道を誘ってくる。
  3. 福島稲荷神社は987年創建と伝わり、吾妻山・信夫山・阿武隈川を望む土地の記憶を背負う。大きなしめ縄の前で、街の地形まで神話に見えた。
  4. 古関裕而記念館は直筆楽譜や約600点の資料を展示し、外観は『とんがり帽子』を思わせる。知らない曲でも、紙の細い線には作曲の息遣いが残る。
  5. 福島県立美術館は信夫山の麓、県立図書館と6万㎡超の敷地に建つ。展示室だけでなく、建物と緑の間を歩ける余白に惹かれた。
  6. 烏ヶ崎展望デッキからは福島駅や新幹線の高架、市街地まで見渡せる。山道の最後の曲がり角で、さっき歩いた細道が一枚の地図になった。
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