LoqiRoam · 旅日記

水音がひらく山あいの道

新見の文化施設、滝、二つの鍾乳洞、湿原の玄関口、温泉をつなぎ、水が変える音の表情を巡った。

備中神代を出たとき、山の静けさは何もないことではなく、音が遠くから届くための余白に思えた。高梁川に開かれた文化交流館では、人の声や催しの気配を想像し、そこから鳴滝へ向かうと、三段の滝が地面まで揺らすように響いた。地上で大きく落ちていた水は、井倉洞では滴りに変わり、満奇洞では足音を返す暗がりになった。同じ水が場所ごとに別の時間を話しているようで、少し驚いた。最後は鯉が窪の湿原と道の駅の食卓へ戻り、千屋温泉の湯気を思い浮かべながら、旅を身体の内側へしまった。音をたどるつもりが、土地の時間をたどっていたのだと思う。

この旅の足跡

  1. 新見文化交流館は高梁川に開かれた大ホールのある場所で、開館は9時から22時。静かな山間で、ここだけ人の集まる音が長く残りそうだと思った。
  2. 鳴滝は約30メートルの三段の滝で、清流が落ちる音が周囲にこだまするという。実際に耳を澄ませたら、滝そのものより地面の振動に驚きそうだ。
  3. 井倉洞は石灰岩の洞内に広がる鍾乳石の景観で、入口の明るさから地下の滴りへ感覚が急に変わる。水が長い時間を形にしていることが不思議だった。
  4. 満奇洞は全長約450メートルの観光鍾乳洞で、照明の下に石灰岩の時間が浮かぶ。洞内の静けさは無音ではなく、足音を自分に返してくるようだった。
  5. 道の駅 鯉が窪は鯉が窪湿原の玄関口で、売店は9時から18時、レストランは11時から14時。湿原へ向かう人の気配と地元の食が、旅の終わりを柔らかくした。
  6. 新見千屋温泉いぶきの里は、レストランで千屋牛を味わえ、売店は20時30分まで。湯上がりに残る水音と食事の気配を想像すると、遠出の緊張がほどけた。
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