LoqiRoam · 旅日記
案内板を離れて、水面へ
駅前の立体的な案内から氷川参道へ入り、神社と小動物園を経て、大宮公園の水辺で歩きの感覚をほどいた。
さいたま新都心では、まず高架と広場のあいだにある案内を眺めた。人が急いで通り過ぎる場所も、少し横から見ると、目的地の集合ではなく方向を選び続ける立体的な街に見えてくる。コクーンシティの分岐を抜けると、空気が変わり、氷川参道の長い直線が現れた。駅前の看板とは違い、ここでは歩く距離そのものが道を説明している。神橋と朱塗りの楼門をくぐり、境内の木立を読んだ後は、大宮公園小動物園へ。静寂の次に子どもの声と動物の気配が入り、散歩の温度が変わった。最後に舟遊池の縁を歩くと、標識より水面の向きが進路を教えてくれる。大きな入口から始めた旅が、小さな揺れにほどけて終わった。
この旅の足跡
- けやきひろばは、駅と高架歩道、さいたまスーパーアリーナをつなぐ立体的な広場。見上げるけやきと案内板を追うと、駅前が一枚の地図に変わっていく。
- コクーンシティは東口に広がる商業施設で、複数の建物と広場が自由通路でつながる。店を選ぶより、どの分岐で人の流れが変わるかが気になった。
- 氷川参道は一の鳥居から社殿へ続く長い直線で、参道入口には享保期の『武蔵国一宮』の標石も残る。文字と木立が同じ方向を指していた。
- 氷川神社の神橋と朱塗りの楼門は境内を象徴する建物。木々の深い色に朱が浮かび、手水や門をたどる順序まで景色の一部に見えた。
- 大宮公園小動物園は10時から16時まで開園し、月曜休園。広い木立の一角で、動物を見る目的と木陰を歩く目的が重なり、子どもの声も景色になっていた。
- 大宮公園の舟遊池では、水面と樹木が街の輪郭を低く見せる。案内板を探すより、池の縁と鳥の動きに歩く方向を任せたくなった。