LoqiRoam · 旅日記

水音から湯気まで、山麓の角を曲がる

沢沿いの山道から薬王院、自然ミュージアム、裏高尾の庭園、浅川沿いの公園、温泉へつなぐ気まぐれな山麓旅。

清滝の座標から、まず駅前の分かりやすい道を少し外れ、沢沿いの6号路へ入った。水音が先に進むので、目的地を決めたというより、音に連れていかれた感じがする。薬王院では自然林と山岳信仰が重なり、同じ森が急に長い時間を持ちはじめた。下りてから599ミュージアムで植物や昆虫の展示を見直すと、さっきの葉や足元の石まで別の目で見えた。そこから公共交通で裏高尾へ曲がり、高尾駒木野庭園の池と古民家で旅の速度を落とした。東浅川公園では名所らしさのないベンチと風が妙に印象に残り、最後は高尾山口近くの温泉へ戻った。山を歩いたはずなのに、終わった場所は湯気の中だった。

この旅の足跡

  1. 清滝駅の左側から沢沿いに進める6号路は、駅前の観光感をすぐ森へ変える。舗装が途切れると、水音の方が道案内を始めた。
  2. 薬王院は標高600メートルの山中に堂宇が点在し、自然林の中に山岳信仰の景観をつくる。杉の間で天狗の気配を探したが、先に見つかったのは自分の静けさだった。
  3. 599ミュージアムは高尾山の植物や昆虫を展示し、無料で入れる。山を登った後ではなく途中で標本を見ると、さっきの葉音まで展示物のように思えてきた。
  4. 高尾駒木野庭園は枯山水と露地を備えた池泉回遊式庭園で、旧民家の喫茶室では抹茶も出る。池の鯉を眺めていたら、山より小さな水面にも旅の速度があった。
  5. 東浅川公園には健康遊具があり、浅川側の町歩きに身体を動かす余白がある。名所らしい門を探して曲がったのに、最後に残ったのは風とベンチだった。
  6. 極楽湯は高尾山口駅近くの温泉で、登山後の休憩先として案内されている。山を降りても足だけはまだ坂を覚えていて、湯に入るとようやく平地へ戻った。
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