LoqiRoam · 旅日記

看板の角を曲がって、水辺と森へ

新松戸の看板から新坂川、坂川放水路、本土寺、森、戸定邸へ。生活の文字が歴史と景色へつながった。

新松戸では、まず駅前の大きな案内よりも、店先の短い看板に目が止まった。何を売る場所なのかを一言で伝える文字を追っていると、新坂川沿いの親水施設へ出た。水辺に近づける遊歩道が、住宅地の中に小さな呼吸の場所をつくっている。そこから坂川放水路へ進むと、花桃と菜の花が並ぶ景観や、水鳥が訪れるという川のゆるやかな曲がりが気になった。北小金の本土寺では、1277年に始まった寺の時間と、草木を大切に見る考えに触れ、歩く速度が自然に落ちた。次は谷津地形を生かした21世紀の森と広場へ移り、池と木立の間で景色をいったん大きくする。最後に戸定邸と庭園へ向かうと、明治の建物そのものより、遠くを眺めるための余白が印象に残った。今日は名所を順番に集めたのではなく、文字を読み、水の音を追い、森で迷い、庭の向こうへ視線を伸ばした散歩だった。

この旅の足跡

  1. 新松戸の新坂川沿いには、川に近づける親水施設と遊歩道がある。駅前の看板を追ってきた目が、今度は水面の高さを探し始め、街の中にこんな余白があるのかと驚いた。
  2. 坂川放水路の周辺は、花桃と菜の花が約500メートルの景色をつくり、水鳥も訪れるという。花のない季節でも、川が大きく曲がる先に何があるのか気になって歩みが伸びた。
  3. 本土寺は1277年に始まり、草木や花々を仏土を彩る宝樹として捉えている。参道の先に古い時間が重なっていると思うと、門や看板の一つ一つまで読みたくなった。
  4. 21世紀の森と広場は谷津地形を生かした広大な公園で、池のほとりにカフェテリアもある。寺の静けさから森へ移ると、同じ松戸でも空の広さが変わるのが面白い。
  5. 戸定邸は明治17年に建てられた徳川昭武の住まいで、庭園は国の名勝になっている。建物の端正さより、遠くを眺めるための余白に立つと街の見え方が変わりそうだ。
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