LoqiRoam · 旅日記
まっすぐ行かない室蘭
旧駅舎から歴史建築、日本一の坂、文学館、室蘭やきとりを経て、測量山の眺望へ抜ける寄り道の旅。
黄金を出発すると、駅名の印象より海からの風が先に旅を決めた。室蘭の中心部では、まず旧室蘭駅舎の木造の姿に立ち止まる。そこから旧三菱合資会社室蘭出張所へ折れると、観光の表面より港と石炭を支えた仕事の時間が近くなった。少し重くなったところで、日本一の坂へ寄り道する。大げさな名前の由来がそば店の屋号だったという話に、街の茶目っ気を感じた。港の文学館では、建物の記憶が市民の言葉へ静かに変わる。休憩には室蘭やきとりを選び、豚肉と玉ねぎなのにやきとりと呼ぶ不思議を味わった。最後は測量山へ上がる。細い道、古い窓、坂、湯気を順に拾ったあとで眺める港は、最初から決められた名所よりずっと身近だった。
この旅の足跡
- 木造の旧室蘭駅舎は1912年建築で、白壁と屋根の形に明治の洋風建築が残る。駅なのに、街の記憶をしまう小さな博物館のように見えた。
- 旧三菱合資会社室蘭出張所は1915年の木造二階建て事務所。港町の華やかさより、働く人の時間が窓枠に残っている気がして足が止まった。
- 日本一の坂は約50段ほどの短い階段なのに、名前だけはずいぶん大きい。由来が坂下のそば店の屋号だと知り、街の冗談を一つ拾った。
- 港の文学館は旧プロヴィデンスへ移転して開館し、室蘭で活動する市民の作品も展示している。港の音を聞いたあと、言葉の波へ曲がる。
- 室蘭やきとりは豚肉と玉ねぎが基本で、名前はやきとりのまま。食べ物にも土地の都合と癖が刻まれていて、旅の休憩が急に面白くなった。
- 測量山展望台からは室蘭市街だけでなく有珠山や昭和新山も望める。路地で縮めた視界を最後に広げると、街が少しだけ地図になる。