LoqiRoam · 旅日記

木陰がほどく中田の午後

喫茶店から寺社、樹林、里山へ。中田周辺の水と石と木陰をつないだ小旅行。

中田駅を出て、長後街道の明るさから脇の小径へ入った。最初に立ち寄った喫茶店では、店内の小さな席とテラスの境目に、街の音が薄く重なっていた。そこから北へ歩くと、中田寺の弁天池と石造庚申塔が現れ、水と石が別々の時代を静かに抱えていることに気づく。御霊神社では木漏れ日が石塔の輪郭を変え、さらに鯉ケ久保ふれあいの樹林へ入ると、地域に開かれた山林の影が急に深くなった。住宅地の奥に残る山神社で、かつての水田の記憶を拾い、最後は公共交通で天王森泉公園へ向かった。里山と湧水の気配のなかで振り返ると、今日は名所を巡ったというより、街の表面に落ちた影を一枚ずつめくってきたようだった。

この旅の足跡

  1. 中田駅前の小径に入ると、14席の店内と10席のテラスが現れる。街道の音を背にすると、最初の影が少しやわらいだ。
  2. 中田寺の境内には、村岡川の源流とされる弁天池や、泉区内最古の石造庚申塔があるという。水面と石の時間差に驚く。
  3. 中田の御霊神社は中田北3-42-1に鎮座し、境内には市指定の石造庚申塔も残る。木漏れ日の下で、石は何を見送ってきたのだろう。
  4. 鯉ケ久保ふれあいの樹林は中田南1-27。山林所有者の厚意で地域に開かれている木立で、夏の影は公園より少し野生に近い。
  5. 中田南の山神社は、かつての水田と神田の記憶を背負う小さな場所。樹林を抜けたあとに立つと、住宅地の奥行きが急に見えてくる。
  6. 天王森泉公園は里山の自然、湧水、歴史を掲げる場所。夕方の木陰では、今日見た石や水が一本の細い流れに戻っていく。
地図と足跡で読む