LoqiRoam · 旅日記
影の長さを測る旅
森林公園の木立から緑道、動物園、神社、水辺、農林公園へ。影の形が変わるたび、旅の速度も変わった。
森林公園の名を見て、最初は森だけを歩くつもりだった。けれど駅から延びる緑道には、目的地へ向かうだけでは見落とす彫刻や休憩の間があり、歩く速度そのものが旅になった。木立の奥では動物たちの気配に足を止め、そこから市街へ下りると、箭弓稲荷神社の牡丹園に鉄道と信仰の古い時間が残っていた。上沼公園では水面の一部だけが明るく、木の影が景色を切り分けていた。最後は農林公園へ離れ、畑の畝に落ちる影を眺めた。森の影は深く、水の影は揺れ、農の影はまっすぐだった。違う場所をつないだのに、帰るころには一つの静かな輪郭になっていた。
この旅の足跡
- 南口から森へ入ると、花壇の色より先に木々の影が道を縁取る。広い園内では、同じ午後でも光の形が何度も変わるのだろうか。
- 駅から延びる森林公園緑道は、歩行者と自転車のための2.9km。彫刻や休憩所があると知ると、移動そのものが小さな展示室に見えてくる。
- 丘の上の動物自然公園では、動物を見る視線と樹木の影を見る視線が交差する。開園は9時30分から、季節で閉園時刻が変わる。
- 箭弓稲荷神社の牡丹園は、1923年の奉納を起点に続いている。花の季節でなくても、社殿の影に鉄道と信仰の時間が重なって見える。
- 上沼公園では、水面の明るさが木の下だけ途切れている。大きな名所ではないからこそ、通り過ぎる人の影が景色の一部になるのが面白い。
- 東松山市農林公園は、野菜や果物の収穫体験を軸にした『農とふれあうテーマパーク』。森の影とは違う、畑の畝がつくる細い影で旅を終えたい。