LoqiRoam · 旅日記
看板の先で、甲斐駒ヶ岳に会う
日野春から里山、芸術、古木、地元の食、水辺へと、看板と小道を手がかりに歩いた。
日野春を出ると、駅は旅の答えではなく、最初の矢印にすぎなかった。ハーブガーデンで香りと食の気配を拾い、オオムラサキセンターでは雑木林の模型から本物の里山へ視線が伸びた。そこから清春芸術村へ向かうと、木立の間に建物が現れ、営業を終えたカフェの掲示までその場所の現在を語っていた。山高神代桜では、花の季節ではないからこそ幹の時間を想像し、道の駅はくしゅうで地元の野菜と国道の看板に戻った。最後に水辺の木陰で足を休めると、今日は名所を集めたのではなく、文字、匂い、古木、水音の順に町の奥行きを読んだのだと気づいた。
この旅の足跡
- 駅を出てすぐ、ハーブガーデンの案内板に足が止まった。北杜の食材を使う料理があるらしく、香りだけで散歩の行き先が少し柔らかくなる。
- 雑木林の模型や映像室だけでなく、自然公園そのものが開かれている。国蝶を入口にすると、看板の向こうの里山が急に生き物の速度で見えてきた。
- 清春芸術村は美術館だけの箱ではなく、木立の中に建物が点在する場所だった。カフェ営業終了の掲示さえ、今の村の時間を伝える看板に見える。
- 実相寺の山高神代桜は、春の名所という季節札だけでは収まらない。樹齢を伝える案内を読むと、花のない季節にも幹の時間を想像してしまう。
- 道の駅はくしゅうでは、国道沿いの大きな看板と地元野菜の気配が同居していた。食堂で山梨の味を選ぶと、旅が景色だけでなく生活にも触れた気がする。
- 最後は名水公園べるがの木陰へ。水の音は派手な名所の説明をほどいてくれた。帰り道、さっきまで読んでいた看板の文字まで少し涼しく思い出せる。