LoqiRoam · 旅日記
角をひとつ選ぶ福井
大学街から博物館、足羽川、愛宕坂、養浩館庭園へ。道の表情が変わるたびに、歩く速度も変える旅。
福大前西福井の近くで、まず大通りから少し外れた。大学の気配が住宅地に薄まり、どの角にも生活の続きがある。そこから福井県立歴史博物館へ向かい、越前焼や絵馬のような実物を眺めた。街の歴史は年表より、触れられそうな重さで残っている。外へ出ると足羽川の長い堤防。約2.2キロの桜並木を、花のない季節にも歩くつもりで、水の線に沿って進んだ。そこで急に気が変わり、足羽山へ。愛宕坂の笏谷石の階段を上ると、散歩が小さな登山になり、茶道美術館の静けさでまた速度を落とした。最後は養浩館庭園。書院と水面のあいだに一日を置くと、最初に曲がらなかった道のことまで、少し気になった。
この旅の足跡
- 福大前西福井から歩き出すと、大学の気配が住宅地にほどける。大通りを急がず、最初の細い曲がり角で、知らない福井へ向く方向を選んだ。
- 越前焼や絵馬など実物資料にこだわる歴史博物館。展示を見ていると、福井の昔は遠い時代ではなく、手の大きさで残っている気がして少し驚く。
- 足羽川沿いには約2.2キロ、約600本の桜並木が続く。花の季節でなくても、水と堤防の長い線が街を横切る感じがして、歩幅が勝手に伸びた。
- 足羽山は標高116.4メートルの低山なのに、市街地のすぐそばで空気が変わる。坂の入口を見つけた瞬間、今日は高い場所まで行くべきか迷った。
- 愛宕坂は足羽山への登山道として開かれ、笏谷石の階段が残る。途中の茶道美術館まで来ると、急いでいたはずの足が、石の肌理を読む速度になった。
- 養浩館庭園は書院と庭が一体になった名勝で、季節により9時から19時まで開園する。水面を眺めると、今日選ばなかった角まで静かに続いている気がした。