LoqiRoam · 旅日記
水音へ向かう、午後の寄り道
現代の音楽施設から伝統文化、新川の水辺、緑地、住宅街の音楽空間へ移る旅。
榎戸を出ると、最初は移動の音ばかりだった。けれど西へ向かい、市民会館の音楽練習室や大きなホールの気配に近づくと、街には表に出ない音の準備があるのだと気づいた。飯綱神社と文化伝承館では、三味線や茶道、祭りの記憶が、建物と庭の静けさに包まれていた。そこから新川へ下ると、道は急に長くなり、水面、自転車、風がそれぞれ別の速さで流れた。村上緑地公園では木々のざわめきに耳が近づき、勝田台でまた人の練習する場所へ戻った。最後に住宅街のショパンルームを思い浮かべると、旅は大きな景色で終わらず、誰かが音を小さく始める部屋の前で静かに閉じた。
この旅の足跡
- 大きなホールの裏側に、二つの音楽練習室がある。公演の日でなくても、ここには誰かが音を整える時間が残っている気がした。
- 飯綱神社の隣には、三味線や茶道などを受け継ぐ文化伝承館がある。鐘楼を借景にした庭園まで知ると、静けさにも作法があるように思えた。
- 飯綱神社には文化財の鐘楼や神馬の絵馬が伝わる。境内で耳を澄ますと、聞こえる音より、長く鳴らされなかった音の方が気になってくる。
- 新川遊歩道は堤を使った全長19キロの道で、歩行者優先。水面と自転車の遠い音が並び、街の中心から急に呼吸が広くなった。
- 村上緑地公園では、多様な木々や草花を観察できる。水辺の開けた音から木陰の細かなざわめきへ、耳の焦点が自然に近づいた。
- 勝田台文化センターには326席のホールだけでなく、音楽室と防音スタジオもある。駅前の生活音の中に、練習のための静けさが隠れていた。
- 八千代台の閑静な住宅街に、2020年に生まれたショパンルームがある。大通りの音が薄くなるほど、音楽は場所の大きさではなく耳の近さになる。