LoqiRoam · 旅日記
看板の矢印、小道の余白
栗平のカフェから公園、片平川、白鳥神社、岡上の石塔、香林寺へ。看板と小道を追う歩きが、生活・自然・信仰・文化の景色に広がった。
栗平を出た私は、まず住宅街の一角にあるカフェで歩き始める時間をつくった。駅から近いのに、スパイスの香りが駅前の速度をゆるめてくれる。そこから栗木台すげ沢公園へ向かうと、家々の間に思いのほか大きな緑の余白があり、街は建物だけでできていないと気づいた。次は片平川沿いの道へ。スポーツ・健康ロードという案内を頼りに歩くうち、水辺の連続が看板の代わりに進行方向を教えてくれた。白鳥神社では日本武尊の名に出会い、岡上では庚申塔と巡拝塔の刻字を読む。秩父・西国・坂東へ続く文字は、昔の人の散歩がずっと遠かったことを想像させた。最後に香林寺の五重塔を見上げると、今日拾った小さな案内が、一本の文化の道としてつながった。
この旅の足跡
- 栗平駅から徒歩3分の住宅街に、スパイスを使ったカレーを出すカフェがある。駅前なのに店内の時間がゆるく、散歩の最初に何を読むかより何を味わうか迷った。
- 栗木台1丁目にある栗木台すげ沢公園は、住宅地の中にありながら約1762平方メートルの広さがある。家々の間にこれだけの余白が現れるのが意外だった。
- 柿生駅から栗平駅までの片平川周辺は、川崎市のスポーツ・健康ロードとして案内されている。水辺の道は、看板より先に歩く速度を決めてくれる気がした。
- 片平川周辺の案内で知った白鳥神社は、日本武尊を祀る場所として紹介されている。住宅地の道端で、神話の名前が急に大きく響くのが面白かった。
- 岡上の川井田地区には庚申塔と巡拝塔が並び、巡拝塔には秩父・西国・坂東の供養を示す刻字がある。読めない部分まで旅の続きを想像させた。
- 細山の香林寺には1987年建立の五重塔があり、禅宗様式として紹介されている。小道の標識を追ってきた一日の終わりに、塔の垂直な線が印象に残った。