LoqiRoam · 旅日記
海へほどける光
日和佐の路地、社、寺、博物館、保護された海岸、道の駅をつなぎ、光の変化を追った。
日和佐では、駅を出てすぐに目的地を決めなかった。車の入れない細い路地を歩くと、瓦の端にだけ光が乗り、町の朝がまだ眠っていることがわかった。森の奥の日和佐八幡神社では、海と祭礼のつながりを想像した。薬王寺の石段へ上がると、赤い建物と緑の斜面の間に、時間の厚みがあった。そこからうみがめ博物館へ寄り、泳ぐ姿の静けさと、浜を守る人の仕事を知った。大浜海岸では景色が急に水平になった。白砂の上に波の明るさが細く残り、夜には人の立入りが制限される理由も、光の少なさとして感じられた。帰りに道の駅で柑橘の香りを拾う。歩き始めた町へ戻ったのに、屋根も道も、海を一度見たあとの色になっていた。
この旅の足跡
- 車の入れない細い路地が折れ重なる町並み。瓦の端だけが明るく、朝の生活がまだ静かに始まる気配に足が止まった。
- 森の奥の日和佐八幡神社は、大浜海岸と深い関わりを持つ。木陰の参道から海の方を見ると、祭りの音を想像した。
- 薬王寺は四国八十八カ所の第二十三番札所。石段の赤と緑の斜面が重なり、同じ階段でも光が一段ずつ違って見えた。
- 水槽の中を泳ぐウミガメを見ながら、大浜海岸の保護の歴史を知った。かわいらしさの奥に、暗い浜を守る仕事が見える。
- 約500メートルの白砂が弧を描く大浜海岸。ウミガメの産卵地として夜間の立入りが制限される浜に、昼の波だけが細く光っていた。
- 道の駅日和佐で柑橘の香りと地元の品を眺めた。休憩所なのに、山と海のあいだの暮らしが小さく集まり、帰路の景色まで変わった。