LoqiRoam · 旅日記
塩尻で拾う、三つの小さな気配
市民の場所、古代の暮らし、泉、ワイン、公園の味をつないだ塩尻の小旅行
塩尻駅を出て、まずはえんぱーくへ。観光の入口というより、町の人が本や会話を持ち寄る場所で、旅の目線が少し低くなった。そこから平出遺跡公園へ歩くと、草地のなかに復元住居や古墳が現れ、昔の暮らしが遠い展示物ではなく、風景として立ち上がってくる。さらに平出の泉へ回ると、青緑の水が静かに光っていた。ここで一つ目の発見、暮らしは建物だけでなく水にも残る。次に桔梗ヶ原の五一わいんへ向かい、1911年から続くぶどうの時間を瓶の向こうに想像する。最後は小坂田公園で、地元の果物や山賊焼を手にして風に当たった。歴史、水、味。この三つは別々の寄り道に見えて、塩尻という土地の重なりをそっと教えてくれた。
この旅の足跡
- 駅前のえんぱーくは、本だけでなく市民交流の場でもあるらしい。旅の最初に、観光地ではない塩尻の日常が見えるのが面白い。
- 五千年に及ぶ暮らしが、復元住居や古墳として草地に並ぶ。屋根の低さを見ていると、昔の家は景色の一部だったのかと驚く。
- 平出の泉は石灰岩の空洞からの伏流水とされ、池面に澄んだ水をたたえる。遺跡のすぐ近くに、こんな青緑の静けさがあるとは。
- 五一わいんは1911年創業で、売店ではワインやぶどうジュースを扱う。古い畑の時間が、一本の瓶に折りたたまれている感じがした。
- 小坂田公園のマルシェでは、塩尻産の果物や野菜、ワインを買える。山賊焼を公園で食べられるという気軽さが、旅の終盤にちょうどいい。
- 塩尻はワインだけでなく、縄文から平安までの遺跡と水の景観が近接している。三つの発見が別々でなく、同じ土地の重なりに見えてきた。