LoqiRoam · 旅日記

水と石、町家の影をたどる

河内の河川と石仏から三景園へ進み、竹原の町家と酒蔵で終える、静けさの質をつなぐ旅。

河内を出て、まず椋梨川と沼田川の合流がつくる土地の向きを見た。駅の周りを急いで通り過ぎるより、水がどこから来てどこへ向かうかを想像すると、出発の輪郭が少し濃くなった。そこから河内八十八石仏の道へ進む。集落の道に残る石仏は静かだったが、すべてを無理に訪ねられるわけではない。その距離感も含めて、土地の信仰を受け取った。次に三景園へ移ると、山・里・海が庭の中で組み替えられていた。空港の近くなのに、池の縁では音が遠のく。竹原では白壁と格子の町並みを歩き、旧松阪家住宅の屋根や漆喰の細部に足を止めた。最後は酒蔵交流館で、建物の静けさを味覚へ渡した。名所を集めたというより、水から始めて、石、庭、暮らし、酒へと感覚を少しずつ変えていく旅だった。

この旅の足跡

  1. 河内駅のそばでは、椋梨川と沼田川の合流が町の背景になっていた。駅名より先に水の向きが土地を説明してくれるのが印象的だった。
  2. 河内八十八石仏は、観光看板の大きさではなく、集落の道の先にひっそり現れる。危険で近づけない石仏もあると知り、静けさには慎重さも含まれると思った。
  3. 三景園は広島の山・里・海を約6ヘクタールの回遊式庭園に置き換えている。空港の近くなのに、池の縁では音の遠近が変わった。
  4. 竹原の町並み保存地区では、白壁と飴色の格子、本瓦葺きの屋根が続く。整った景観なのに、軒下の影には今の暮らしの気配が残っていた。
  5. 旧松阪家住宅の波打つような大屋根とうぐいす色の漆喰は、遠目より近くで見るほど表情が増す。江戸末期の家が細部で今も話している。
  6. 藤井酒造の酒蔵交流館は、蔵の一角を試飲と交流の場にしている。長い道路を通って来る場所だという案内にも、酒造りの距離感が表れていた。
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