LoqiRoam · 旅日記
茅ヶ崎、曲がるたびに海が近づく
寺、松並木、古社、美術館、庭園を経て、河口近くの広い公園へ抜ける寄り道の旅。
出発点からまっすぐ歩くつもりだったのに、最初の曲がり角で円蔵寺の山門が見えた。六地蔵や八十八箇所の祠を眺めているうち、旅の速度が少し落ちる。そこから鶴嶺八幡宮へ向かうと、住宅地の中に長い松並木の参道が現れた。古い道は保存されているというより、今の暮らしの隙間でまだ使われている感じがした。南へ戻る途中は美術館へ逃げ込み、緑の中でミュシャの装飾に目を奪われる。さらに氷室椿庭園で、咲いていない花の季節まで想像した。最後は柳島しおさい公園へ。原っぱと親水池の向こうで空が急に広がり、路地の曲がり角を選び続けた一日が、海風の中でほどよくほどけた。
この旅の足跡
- 駅から少し外れると、円蔵寺は東海道の松並木に沿う古刹だった。六地蔵と八十八箇所の祠が同じ境内にあり、静かなのに情報量が多い。
- 鶴嶺八幡宮へ伸びる参道は約760メートル。江戸初期に整えられた松並木が、住宅地の中で急に時間の奥行きを見せる。
- 鶴嶺八幡宮は相模国茅ヶ崎の総社とされ、授与所は平日15時まで。古社なのに、道の先では子どもの気配も残っている。
- 茅ヶ崎市美術館は高砂緑地の中にあり、2026年夏はミュシャらの展覧会を開催中。海の町で世紀末の装飾に寄り道するのは悪くない。
- 氷室椿庭園には200種類を超える椿と約1300本の庭木がある。見ごろではない季節でも、花の不在を想像して歩く余白が残る。
- 柳島しおさい公園は原っぱと親水池を備え、6時から18時45分まで開園。最後にここまで来ると、街の細い道が相模川河口の空へほどける。