LoqiRoam · 旅日記

曲がり角の先で、海が生活になる

琥珀、地域資料、巨木、町の食、建築、奇岩、海女文化をつないだ久慈の寄り道旅。

陸中宇部を出て、最初から海岸線をなぞるのはやめた。久慈琥珀博物館で白亜紀の時間に寄り道し、旧長内中学校を使った歴史民俗資料室では、製鉄や民具、宇部ゆかりの人物の記憶に触れた。長泉寺の大イチョウの前では、千年以上の木が町の中心に立ち続けていることに少し驚く。そこからやませ土風館へ曲がり、海鮮の匂いとレトロ広場の甘いものに誘惑された。アンバーホールの波形屋根を見上げて、ようやく海へ向かう気分になる。小袖ではつりがね洞の失われた鐘を想像し、最後に海女センターへ。景勝地に着いたというより、道の途中で海が人の暮らしへ姿を変える瞬間を拾った旅だった。

この旅の足跡

  1. 駅を出てすぐ海へ行かず、まず琥珀の森に入った。約九千万年前の琥珀を見ていると、町の近道より地球の遠回りのほうが気になってくる。
  2. 旧長内中学校の四室に、製鉄、偉人、遺跡、民具が約二千点。予約が要る場所なのに、展示の密度だけは町の裏道のように濃い。
  3. 長泉寺の大イチョウは推定樹齢千百年、高さ約三十メートル。枝のこぶに伝承が宿り、寺の境内だけ時間の流れが少し太い。
  4. やませ土風館は風の館と土の館が並び、レトロ広場にはタコスや焼き芋サンドまである。海鮮丼を選ぶか、甘い寄り道にするか迷う。
  5. 波形の大屋根が太平洋のうねりと山並みを表すアンバーホール。ホールに入らなくても、外観だけで町が海を意識していると分かる。
  6. つりがね洞は高さ約五十メートルの岩礁島と海食洞。昔の釣鐘状の岩は失われても、名前だけが波音の中で残っているのが不思議だ。
  7. 小袖海女センターでは北限の海女の文化を紹介し、夏には素潜り実演もある。今日は海女に会えるかより、漁港へ続く細い道の先を見たい。
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