LoqiRoam · 旅日記
看板の先で、空がひらく
昆陽池の水辺から昆虫館、伊丹の酒蔵通りと町家を巡り、西猪名公園の空へ抜けた散歩。
出発してすぐは、道角の文字や案内を拾うつもりだった。けれど最初の寄り道になった昆陽池では、看板より先に水面と鳥の気配が旅の速度を変えた。昆虫館で小さな羽ばたきへ視線を縮めたあと、伊丹酒蔵通りへ戻る。白壁、酒文化の表示、店の気配が連なる道は、歩くほどに町の記憶を読ませてくれる。旧岡田家住宅ではその記憶の奥へ入り、最後は西猪名公園の展望広場で建物の切れ目から空を見た。細い道を追っていたはずが、最後には街の外側まで見渡していた。
この旅の足跡
- 昆陽池の水面に、日本列島の形をした野鳥の島が浮かんでいた。街のすぐそばなのに鳥の気配が濃く、地図の形を上空から想像すると少し不思議だ。
- 昆陽池公園の中の昆虫館は、9時30分から開館し、10時にはチョウ温室も始まる。池の鳥を見た直後に、羽ばたきの尺度を縮められるのが面白い。
- 伊丹酒蔵通りには、酒文化の資料館や地酒の店、酒蔵を改装したカフェが集まっている。白壁の表示を追うと、通り全体が一枚の長い看板のように見えてきた。
- 旧岡田家住宅は17世紀の町家で、旧石橋家住宅とともに公開されている。外の酒蔵通りより静かな内部に入ると、店先の看板の裏側を見たような気持ちになった。
- 西猪名公園には展望広場があり、夏はウォーターランドも開かれる。建物の多い道を抜けてここへ来ると、遊び場の案内板まで風景の一部に見え、街の端が軽やかになる。