LoqiRoam · 旅日記

黒壁、甘い香り、水辺の余白

本川越から蔵造り、時の鐘、菓子屋横丁、氷川神社、新河岸川を歩き、建物の知恵・菓子の香り・水辺の余白を三つの発見として集めた。

本川越を出てすぐ名所へ急がず、まずは連雀町の道を歩いた。古い軒と新しい看板が隣り合う曲がり角で、川越は保存された舞台ではなく、今日も暮らしが更新している町なのだと感じる。やがて蔵造りの町並みに入ると、倉庫ではなく店舗そのものを蔵造りにした防火の知恵が、黒い壁と重い屋根の景観になっていた。時の鐘では、実際の音が届く前に、町の時間を知らせてきた塔の気配を想像した。菓子屋横丁では色ガラスの石畳と約30軒の菓子店に囲まれ、甘い香りと細い道の譲り合いが旅を軽くする。氷川神社では大鳥居の大きさに驚いたあと、本殿の細かな彫刻へ目を凝らした。最後は新河岸川へ向かい、寺社や町の記憶を水辺の静けさに預けた。今日の三つの発見は、建物に残る知恵、横丁に残る香り、中心を離れたときに広がる空だった。

この旅の足跡

  1. 駅前の道を少し外れると、古い軒と新しい看板が同じ通りに並んでいた。目的地ではない曲がり角ほど、川越が今も暮らしの町だと感じさせる。
  2. 川越の蔵造りは倉庫ではなく、通りに面した店舗そのものが厚い壁と屋根を持つ。防火の知恵が、今は黒い陰影のある町並みとして残っている。
  3. 時の鐘を見上げると、塔の高さよりも、周囲の店や電線と一緒に町の現在を受け止めている姿が印象に残る。聞こえない鐘まで想像した。
  4. 菓子屋横丁は約30軒の菓子店が集まり、色ガラスの石畳と昔ながらの味が細い道に詰まっている。甘い香りの中で、歩くこと自体がおやつになった。
  5. 川越氷川神社の大鳥居は高さ約15メートルの木製で、本殿には江戸彫の精緻な彫刻が施されている。大きさと細部の落差に驚いた。
  6. 新河岸川沿いのコースは約4.2キロ、徒歩約1時間24分。寺社や取水堰をつなぎながら喧騒を離れられ、水面より先に気持ちが遠くへほどけていく。
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