LoqiRoam · 旅日記

灯りを追って、町を読み直す

高燈籠を起点に、川沿いの路地、酒蔵、うどん、芝居小屋、町の記憶、展望台をつないだ琴平の歩き旅。

榎井から歩き始めると、最初に目に入ったのは建物より高く伸びる高燈籠だった。昔は海の船からも見えたという灯りを背に、金倉川へ沿う細い道へ寄り道する。水面と家並みの間を歩くと、表参道のにぎわいが少し遠のき、町の暮らしの輪郭が見えてきた。白壁の酒蔵を思わせる金陵の郷で酒造りの記憶に触れ、うどんの案内に誘われて一度足を休める。そこから石段の気配を感じながら旧金毘羅大芝居へ向かうと、入口の向こうに人力で動く舞台を想像した。歴史民俗資料館で江戸の町並みを見返したあと、琴平公園の展望台へ上がる。最後に見下ろした道は、看板や路地がばらばらに置かれたものではなく、山と川と人の往来が重なってできた一枚の地図だった。

この旅の足跡

  1. 駅を出てすぐ、27メートル級の高燈籠が町の屋根から抜け出していた。海の船へ届く灯りだったと知ると、この散歩の最初の看板が急に遠くまで見えた。
  2. 鳥居の脇から金倉川へ下りると、観光の表通りとは別の細い時間が流れていた。水面を見ながら歩くと、さっきの高燈籠が道しるべに見え直す。
  3. 白壁の酒蔵を思わせる金陵の郷では、酒造りの道具と日本酒の歴史に出会える。参道の喧騒の中に、発酵の静かな時間が隠れているのが面白い。
  4. 琴平のうどん学校は体験を受け付ける場所で、店先の明るい案内が歩く人を誘っている。石段の前に一杯の余白を置くと、登る景色も少し身近になる。
  5. 旧金毘羅大芝居は1835年築の現存最古級の劇場建築。外観だけでも、入口の小ささの向こうに人力の回り舞台が潜むと想像してしまう。
  6. 歴史民俗資料館には江戸時代の琴平の町並みを再現したパノラマがある。歩いてきた道を模型の上から見返せると思うと、町が一枚の看板のように読めてくる。
  7. 琴平公園の展望台まで上がると、金刀比羅宮の社殿や讃岐平野、遠くの瀬戸内まで視界がほどける。細い道を選んできた最後に、町全体の答えが広がった。
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