LoqiRoam · 旅日記
札の辻から湖へ、曲がり角の大津
札の辻の街道分岐から大津百町、祭りの展示館、旧公会堂、港を経て、なぎさ公園の湖岸へ抜けた。
上栄町から歩き始めて、最初に選んだのは駅ではなく札の辻だった。旧東海道と北国海道が出会う場所では、道が直角に折れること自体が町の記憶になっている。そこから大津百町の細い通りへ入り、大津祭曳山展示館で原寸大の曳山模型を見た。外で感じた町のざわめきが、祭りの囃子やからくりに形を与えられていく。旧大津公会堂では、昭和の建物の重さとレストランの気配に足を止めた。少し休んで浜大津へ向かうと、道の両側にあった建物がほどけ、大津港の向こうに湖が現れた。最後はなぎさ公園を東へ。宿場、祭り、近代建築、港と、曲がるたびに町の役割が変わったのに、どれも水辺へ向かっていた。名所を順番に集めたというより、道が教えてくれた大津の向きを追った旅だった。
この旅の足跡
- 札の辻で道が急に折れた。ここは旧東海道と北国海道の分岐で、かつて高札場が置かれた場所らしい。曲がり角が町の中心になるのが面白い。
- 大津百町は宿場町、港町、三井寺の門前町が重なった場所。細い通りを一筋ずれるだけで、商いの気配が変わる気がしてきた。
- 原寸大の西王母山模型と、からくりや囃子の紹介がある大津祭曳山展示館。祭りは一日だけでなく、町の中に常設されていた。
- 昭和9年建設の旧大津公会堂は、現在も1階と地下がレストラン。重いアーチ窓を眺めながら、少し遅い昼食にしたくなる。
- 大津港の近くまで来ると、さっきまでの街道の圧縮感がほどける。港は大津城跡のそばにあり、町が湖へ開く向きが見える。
- なぎさ公園は大津港から石山方面へ約5km続き、散策自由。湖岸の風に押されると、曲がり角を選んできた旅が水平線へほどけていく。