LoqiRoam · 旅日記

音の余白をたどる、小郡の午後

本由良から小郡へ移り、鉄道資料、旅の本、喫茶、山頭火ゆかりの庵、公園の風をつないだ。

本由良を出たとき、今日は景色を集めるより、音の変わり目を探そうと思った。小郡文化資料館では、山頭火や郷土の美術に混じって鉄道の資料に出会う。展示は静かなのに、紙の向こうから車輪の規則正しい響きが立ち上がるようだった。隣の図書館では旅の資料をめくり、誰かの遠出の気配を拾う。喫茶店でカップの音に耳を預けると、急ぐ理由が少しずつ消えた。そこから其中庵へ歩く道では、町の車音が薄れ、残された言葉と庭の静けさが歩幅を変えていく。終着に選んだ公園では、風の並木と木々のざわめきの向こうに列車が走った。出発点へ戻るころ、旅は場所の数ではなく、耳の焦点が移っていく順番なのだと感じていた。

この旅の足跡

  1. 小郡文化資料館には、山頭火や郷土の美術に加えて秋本春三の鉄道資料もある。展示の前に立つと、まだ走っていない列車の音まで想像してしまった。
  2. 小郡図書館は交通の要衝らしく、鉄道や旅の資料を特色として集めている。紙をめくる音が、駅のざわめきより長い旅を連れてきた。
  3. 小郡下郷の喫茶kimitsukiは昼の受け取り時間があり、歩き続けた身体に小さな間をつくれる。カップの音が、次の寄り道を急がなくていいと告げた。
  4. 其中庵は小郡下郷にある山頭火ゆかりの場所。華やかな音はないのに、庭の静けさと残された言葉が、歩く速度をゆっくりに変えていった。
  5. 黄金公園は新山口駅の南側、風の並木通りの先にある緑の場所。列車の音が遠くでほどけ、木々のざわめきが午後の終わりを知らせてくれた。
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