LoqiRoam · 旅日記
看板の先で、海風に会う
伊予和気から社寺と遍路道をたどり、北条の渡船で鹿島へ渡って、産直と海岸の夕景に着地する散歩。
伊予和気では、まず駅前の道を急がずに歩いた。小さな社の入口、遍路道を思わせる案内、住宅の軒先に残る文字。大きな名所を目指す前に、町が自分で置いた目印を読むと、道の向きが少しずつわかってくる。円明寺で巡礼の時間に触れ、太山寺では山際へ上がる坂と大きな屋根に出会った。ここで旅は平地の散歩から、港へ向かう移動へ転じる。北条では渡船の時刻表を見ながら待ち、わずかな海上移動で鹿島へ渡った。島の小径では、看板よりも潮の匂いと空の広さが先に目に入る。帰りは風早の郷風和里で地元の野菜や魚の気配を眺め、長浜海岸へ出た。出発点で拾った小さな文字が、最後には海と夕方の光を読む旅に変わっていた。
この旅の足跡
- 駅から歩いて数分の恵美須神社は、町なかに突然あらわれる静かな目印。小さな境内なのに、周囲の道の向きまで少し違って見えた。
- 円明寺は四国遍路の札所として知られ、本堂の古さだけでなく、そこへ向かう道の案内が旅人の歩幅を整えてくれる。
- 太山寺は受付が8時から17時で、山際に堂宇が重なる。平地の看板を追ってきた目には、最後の坂と大きな屋根が意外に雄大だった。
- 北条鹿島の渡船は北条と島を約3分で結ぶ。待合所の時刻表を読む時間まで旅になり、陸の道が海の道へ切り替わる瞬間が面白い。
- 鹿島は北条港沖約400メートル、周囲約1.5キロの島。短い渡船なのに、島の小径では潮の匂いと空の広さが急に近くなった。
- 風早の郷風和里は9時から18時、朝採れ野菜や魚介、じゃこ天が並ぶ道の駅。長浜海岸の夕日まで見られるとは、終着として欲張りで嬉しい。