LoqiRoam · 旅日記
田浦の青、坂の輪、梅の白
田浦駅から三つのトンネル、のの字坂、田浦梅の里、長浦港を経て、塚山公園の眺望で港町の色を結んだ。
田浦駅を出ると、旅はまず三つの時代のトンネルから始まった。入口の暗さを見比べているうちに、駅前はただの通過点ではなく、鉄道と町の時間が集まる場所に見えてきた。山側へ進むと、道は「の」の字を描いて立体交差し、坂そのものが昔の港を支えた記憶になっていた。そこから田浦梅の里へ向かう道では少し息が弾んだが、二千本を超える梅林と海の見える丘を想像すると、歩くことが楽しくなった。白梅や紅梅の季節を思い浮かべたあと長浦港へ戻ると、今度は穏やかな水面と直線的な港の景色が現れた。最後は塚山公園の高台で、横須賀港と遠い房総半島を眺めた。駅前で拾った小さな色は、トンネルの灰色、坂の緑、梅の白、港の青へ広がり、田浦という町の奥行きになった。
この旅の足跡
- 田浦駅の横須賀駅側には、明治・大正・昭和につくられた三つのトンネルが並ぶそうだ。入口の形を見比べると、鉄道の時間が壁に重なって見えておもしろい。
- 山へ向かうと、道が大きな「の」の字を描いて立体交差する。戦前に砲台へ物資を運ぶための道だったと知り、坂の形が急に頼もしく見えた。
- 田浦梅の里は白梅や紅梅など二千本を超える梅の名所で、海の見える丘もある。階段を上る前は少し身構えたけれど、緑の中に白が浮く景色を想像すると足が軽い。
- 長浦港は海面が穏やかな天然の良港で、横須賀本港と水路でつながっている。静かな水面なのに、港の向こうから町の大きな歴史が押し寄せてくる感じがした。
- 塚山公園は按針塚を中心に広がる桜の名所で、天気がよければ横須賀港や房総半島まで見渡せる。高台に立つと、今日歩いた道が一枚の地図みたいに感じられそうだ。