LoqiRoam · 旅日記
運河から木陰へ
呉羽山の民俗文化から環水公園の運河、美術館の光、城址公園と神社の木陰へ、富山の静かな層をたどった。
月岡を出て、富山の中心へ向かった。最初に呉羽山の麓で、土人形や生活道具の展示を見た。手で使われたものには、説明板より先に時間が宿っている。環水公園へ移ると、運河の水面と野鳥観察舎が視界を大きくひらいた。美術館の屋上では、天候に左右される庭園だからこその一瞬の空気を感じた。そこから街の中心へ戻り、ガラス美術館の斜めの光、城址公園の堀、日枝神社の木陰へ。名所を集めたというより、広がる景色を少しずつ室内と境内へ折りたたんでいく旅だった。
この旅の足跡
- 呉羽山の麓に資料館や工房が集まり、土人形の絵付けや抹茶もできる。展示を見るだけの場所と思っていたが、里山の空気まで含めて一つの文化になっていた。
- 環水公園では運河の歴史を示す展望塔と、扇形の野鳥観察舎が水面を向いている。人のための公園なのに、鳥の視線を借りられる設計が少し意外だった。
- 富山県美術館の屋上庭園は、作品を見る前後に立山や運河の方向へ視線を逃がせる。雨や強風で閉じることもある場所だから、開いている日の空気まで展示の一部に思えた。
- TOYAMAキラリは、立山の氷の岩脈やガラスを思わせる外観を持つ。中へ入ると図書館と美術館の気配が重なり、華やかな外観よりも、斜めに差す光の静けさが残った。
- 富山城址公園は、模擬天守を中心に堀と緑が残り、公園部分は常時散策できる。城を見るつもりが、建物より堀に映る街の揺れのほうを長く見ていた。
- 日枝神社は富山では山王さんと呼ばれ、中心市街地の中に大きな境内を抱えている。通りの車音が鳥居をくぐると少し遠のき、最後に残ったのは木陰の温度だった。