LoqiRoam · 旅日記

高原の耳と、曲がり角の乳白色

野辺山駅からJR線最高地点、電波望遠鏡、村の文化施設、乳製品直売所、牧場へ。高原の尺度が曲がるたびに変わる旅。

野辺山駅では、最初から目的地を決めないことにした。標高の高い駅を背にして線路沿いへ曲がると、旅の尺度が少しずつ変わる。まずはJR線の最高地点。小さな標識なのに、列車の音を待つ時間まで特別に聞こえた。そこから高原を横切り、45メートルの電波望遠鏡へ向かった。アンテナは空を見ているようで、実際には見えないものへ耳を澄ませている。その大きな沈黙のあと、村の文化を紹介する施設で地上の話に戻り、ヤツレンの直売所では星より先に牛乳とソフトクリームを選んだ。最後は牧草地へ。風に押されて遠回りした一日だったが、野辺山の輪郭は、名所の一覧より曲がった順番で覚えている。

この旅の足跡

  1. 駅舎を出ると、ここはただの乗換地点ではなく標高1345.67メートルの暮らしだと気づいた。線路の先が山へ消えるので、まずその向きを選ぶ。
  2. 線路脇の小さな標識が、JR線の最高地点を1375メートルで示していた。派手な山頂ではないのに、列車の通過を待つ時間まで展望台のように感じる。
  3. 45メートルの電波望遠鏡は、空を見上げるというより静かに耳を澄ませていた。見学は無料で、アンテナまで約600メートル歩くのもいい余白になる。
  4. ベジタボール・ウィズでは、野辺山の星と村の話を建物の中で拾える。アンテナの無言の迫力の後に来ると、土地の声が少し人間に近づく。
  5. ヤツレンの直売所は9時から17時まで。高原の牛乳やソフトクリームを前にすると、星の話より先に冷たい甘さを選びたくなる自分が可笑しい。
  6. 標高1375メートルの滝沢牧場では、山の景色が牧草地の向こうに低く広がる。動物の気配と売店の温度が、長い寄り道をやっと帰路に変えた。
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