LoqiRoam · 旅日記
水辺から城下町へ、角をひとつ多く曲がる
宍道湖の湖岸から旧有澤家路地、茶の湯、京店商店街、大橋川の眺望へ。水辺と城下町を遠回りでつないだ。
松江イングリッシュガーデン前では、庭園の整った花より先に、宍道湖へ続く湖岸の気配が目に入った。親水ゾーンの浅場まで寄ると、旅は駅から始まるのではなく、水の縁から始まるように思えてくる。そこから中心部へ移り、公式に紹介されていた逆めぐりの流れを借りて、旧有澤家路地のような細い道へ入った。城下町の角は、見通しを少し隠す。その隠れ方が楽しくて、茶の湯の美術館では歩幅まで小さくなった。やがて京店商店街の抹茶や甘味へ移ると、歴史は展示の中だけでなく、店先の香りにも残っていた。最後は大橋川と宍道湖の方へ抜け、細道で集めた印象を水面に並べ直す。最短距離ではなかったけれど、今日はその遠回りがいちばん確かな道だった。
この旅の足跡
- 庭園前を出てすぐ、花壇の整列より湖岸の浅場が気になった。水とふれあえる親水ゾーンが整備されていると知ると、今日は駅前で終わらせたくなくなる。
- 湖岸では、観光地らしい大きな仕掛けより、砂浜と水面の近さに惹かれた。整備された浅場があるのに、風景はまだ少し野生的で、次の行き先を決めにくい。
- 公式の逆めぐり案内に、江戸期から残る旧有澤家路地が載っていた。観光の正面を避けて入る細道には、城下町が防御と暮らしを同時に考えていた気配がある。
- 田部美術館は松平不昧ゆかりの茶道具や楽山焼・布志名焼を扱い、館内で抹茶もいただける。展示を見る前から、茶碗を選ぶ時間の方が気になってしまった。
- 京店商店街のScarab別邸では、自社の抹茶やほうじ茶を使った菓子とフルーツサンドが紹介されている。武家地の余韻から甘い商いへ曲がるのが、妙に松江らしい。
- 松江大橋の周辺は大橋川を望み、西には宍道湖の夕景が開ける。細い道で縮んだ視界が水面で一気に戻り、さっきの曲がり角を頭の中でたどり直した。
- 最後は茶処の甘味に寄る。松江の観光案内でも月ヶ瀬やScarab別邸が紹介されていて、名所を集めるより、歩き終わりに一服できる店を選ぶ方が今日の気分に合った。