LoqiRoam · 旅日記

水音へ向かう途中

商店街の生活音から親水公園、荒川、水元公園の水郷景観へ移り、静けさの質の変化をたどった。

新小岩では、駅を出てすぐの明るいアーケードから歩き始めた。惣菜や菓子の店が並ぶルミエール商店街は、人の暮らしが前面に出ているのに、歩いていると気持ちが急かされない。そこから新小岩公園へ入り、芝生の広がりで一度歩幅を落とした。次に小松川境川親水公園へ進むと、滝やせせらぎ、飛び石のように水の表情が変わり、住宅地の中に長い水の道が隠れていることに気づく。荒川の水辺では視界が大きく開き、細い水路とは違う風を受けた。いったん街へ戻り、フィンランド料理を出す店で休んだあと、最後はバスで水元公園へ向かった。小合溜に沿う水郷の景観は、途中で拾った静けさをひとつにまとめるようだった。静かな場所とは音がない場所ではなく、音の変化を受け止められる場所なのだと思う。

この旅の足跡

  1. 約420メートルのアーケードに、惣菜や菓子の店が連なっていた。明るい通りなのに、店先の生活音が旅の入口らしい落ち着きをつくっている。
  2. 芝生広場とスポーツ広場を囲む約600メートルの園路がある。遊ぶ場所のはずなのに、歩く人の速度が不思議にそろって見えた。
  3. 菅原橋から中川まで3,930メートル続く親水公園で、滝、せせらぎ、飛び石、吊り橋と景色が変わる。水路が道の脇に現れるたび、住宅地の奥行きに驚いた。
  4. 荒川沿いの水辺公園は、堤防と空の境目が大きく開く場所だ。駅近くの細かな生活音からここまで来ると、風の向きそのものが景色になる。
  5. フィンランド料理を素朴な味わいとして提供する小さな店。営業時間内でも早く閉まることがあるという注意書きが、旅先の予定を少し柔らかくしてくれた。
  6. 小合溜に沿う、都内で唯一の水郷景観をもつ公園。水面と樹木の間を歩くと、出発点の商店街とは別の静けさがあり、遠くまで来た実感が遅れて届いた。
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