LoqiRoam · 旅日記
三つの小さな発見、海岸線の大きな記憶
小豆砂の海岸から食、製塩、鉱山、水門、断崖へ。土地の三つの小さな発見を、海岸線の記憶としてたどった。
十府ヶ浦海岸では、紫色の小豆砂が続く弧を眺めた。古い歌に詠まれた海岸が、地質の時間も抱えていると知ると、出発点がただの砂浜ではなくなった。道の駅のだへ移ると、海産物と山菜、きのこ、のだ塩が同じ棚に並んでいた。海と山の近さを目で確かめ、塩ソフトで舌にも旅をしてもらう。次ののだ塩工房では、港の海水が薪窯と鉄鍋で四日かけて塩になる。ここで一つ目の発見が、味から手仕事へ深まった。午後はマリンローズパーク野田玉川へ入り、地下の涼しさと薔薇色の鉱物に出会う。海辺の村に、こんな長い地下の時間が眠っていたことが二つ目の驚きだった。普代水門では、守る構造の大きさと、最後は高台へ逃げるという教訓に立ち止まった。そして黒崎展望台から海岸線を見返す。塩、鉱物、水門という別々の発見が、太平洋と暮らす一つの風景に結ばれていった。
この旅の足跡
- 十府ヶ浦は、紫色の小豆砂がゆるやかな弧を描く3.5キロの海岸。波を見ているだけなのに、古い歌と地質の時間が同時に近づいてくるのが不思議だった。
- 道の駅のだでは、荒海の海産物、山菜、きのこ、のだ塩が同じ場所に並ぶ。海と山の距離が棚の上で縮まって見え、塩ソフトを試す理由が一つ増えた。
- のだ塩工房では、野田港の海水を鉄鍋で薪窯直煮にする。見学は予約制だが、四日かけて塩になると知るだけで、さっきの一口の味が急に長い旅を始めた。
- マリンローズパーク野田玉川は、公開坑道が約1.5キロ続く元マンガン鉱山。地下は年間10〜12度ほどで、薔薇色の鉱物を見ながら急に涼しくなる転換が面白い。
- 普代水門は高さ15.5メートル。大きさに圧倒される一方、津波を完全に止めた物語ではなく、最後は手動閉鎖と高台避難の教訓が残る場所だと知った。
- 黒崎展望台は150メートルを超える断崖の上にあり、野田村から久慈市まで海岸線を見渡せる。歩いた場所が青い地形の一続きに変わり、最後の視界がいちばん広かった。