LoqiRoam · 旅日記
文字を拾って、空へ抜ける
南巽から生活道路、コリアタウン、田島神社、東住吉図書館、駒川商店街を経て、長居公園の緑へ抜けた散歩。
南巽を出たとき、目的地はまだ決めきっていなかった。細い道の手書き文字や工場の壁を眺めていると、街は名所より先に看板で自己紹介してくる。やがてハングルと日本語が重なる大阪コリアタウンへ入り、食材店の色と匂いに歩く速度を奪われた。田島神社では、古い石燈籠と大きな木の下で、にぎわいの裏にある土地の記憶を拾う。図書館で少し静かになったあと、駒川商店街の値札と呼び声が再び私を外へ押し出した。最後に長居公園へ入ると、通りを埋めていた文字が緑に置き換わる。その景色の変化が、今日いちばん鮮やかな道しるべだった。
この旅の足跡
- 南巽を出ると、住宅の軒先と町工場の壁が細い道に交互に現れる。駅名より、手書きの店名や注意書きのほうが、この町の今日をよく話している気がした。
- 大阪コリアタウンは、御幸通商店街に実店舗が連なり、ハングルと日本語の看板が食材や惣菜の匂いを連れてくる。読めない文字まで、店の入口のように見えてきた。
- 田島神社には、江戸時代から伝わるとされる石燈籠や、拝殿前の大きなモチノキがある。商店の音を背に鳥居をくぐると、眼鏡の町の記憶まで静かに立ち上がった。
- 東住吉図書館は東田辺の建物の3階にあり、平日は19時まで開館している。旅先の図書館に入ると、通りの看板が今度は本の背表紙に変わり、町の声を読み直せる。
- 駒川商店街では、惣菜、衣料、食料品の店が長く続き、昔からの店と新しい店が同じ通りで肩を並べる。値札の文字を追っているうち、空腹まで散歩の案内役になった。
- 長居公園は常時開園の大きな緑地で、園内には植物園やスタジアムもある。商店街の看板が木々の緑に置き換わると、さっきまでの文字が少し恋しくなるほど空が広かった。