LoqiRoam · 旅日記
御影で拾った三つの時間
御影の山手の池、休館中の美術館、岡本の商店街、住吉川、二つの酒蔵をめぐり、町の高低差と時間の重なりを味わった。
御影から始めて、まず深田池の水面に山手の静けさを見つけた。次に香雪美術館へ向かったが、長期休館中の門前で、旅は予定どおり開く場所だけを集めるものではないと気づく。岡本商店街では店先の小さな違いに足を取られ、そこから住吉川を南へ下った。山の水が街を抜けて海へ向かう流れは、地図よりずっと素直な道しるべだった。終盤は白鶴酒造資料館で木造蔵と昔の道具を眺め、最後に菊正宗酒造記念館へ。似た酒蔵でも、生酛づくりの見せ方や空気が違う。水、閉じた扉、蔵の語り口。小さな発見を三つ集めるつもりが、気づけば六つほどポケットに入っていた。
この旅の足跡
- 池のすぐ北にある深田池公園は、東屋が水面へ張り出し、山手の静けさをひと休みで味わえる場所。蝉の声まで景色に見えてきた。
- 香雪美術館は日本・東洋美術のコレクションと茶室を持つ一方、現在は長期休館中。門前で立ち止まると、見られないこと自体が町の時間を感じさせた。
- 岡本商店街には個性的な店が連なり、山麓のゆったりした空気と買い物の細かな楽しさが同居する。予定外にショーウィンドーで足が止まった。
- 住吉川は六甲山系から大阪湾へ流れ、清流の道では魚の気配も身近。山の水が街を横切って海へ向かう向きが、歩くルートそのものになった。
- 白鶴酒造資料館は大正時代の木造酒蔵を活用し、昔の工程を人形や実物道具で見せる。酒粕スイーツや甘酒ソフトまであり、蔵が食べ歩きに続いていた。
- 菊正宗酒造記念館では生酛づくりの心を、時・場・人の三段仕込み展示で体感できる。白鶴の工程展示と似ていても、蔵ごとの語り口の違いが気になった。