LoqiRoam · 旅日記
川の合流点で、影の行き先を知る
狐の伝承、二つの川、城山の地形をつなぎ、最後は麒麟山温泉で影の旅を静かに閉じた。
津川駅を出たとき、旅はまだ輪郭を持たなかった。東へ歩いて住吉神社の杉影に入り、狐の嫁入りが出発した場所の静けさを受け取る。狐の嫁入り屋敷では、畳の展望室と望楼から、阿賀野川、常浪川、麒麟山を一枚の風景として眺めた。けれど本当に心が動いたのは、川辺まで降りて二つの流れを見たときだった。水の境目は曖昧なのに、山の影だけははっきりしている。城山へ登ると、その影を守るような津川城跡の地形が現れた。最後は麒麟山温泉へ向かい、緊張の残る山道を湯気の向こうへ沈める。狐火の正体はわからないまま、それでよかった。見えないものを見ようとした時間だけが、川の夕暮れに長く残った。
この旅の足跡
- 住吉神社の境内に立つと、狐の嫁入り行列がここから出発した理由が少しわかる。杉の影は濃く、社殿の向こうに町の気配が残っていた。
- 狐の嫁入り屋敷は代官所跡に建ち、二階の畳敷きの展望室から阿賀野川と常浪川、麒麟山を見渡せる。狐火は本当にどんな夜に見えたのだろう。
- 阿賀野川と常浪川が近くで交わる水辺では、二つの流れの色と速さがわずかに違って見えた。山の影が水面でほどけ、町の音だけが遠い。
- 津川の川辺から城山を見上げると、岩肌を抱えた山が町の背後ではなく水運の入口を守っているように見える。風だけが橋の下を抜けていった。
- 津川城跡は阿賀野川と常浪川の合流部へ突き出す城山に残る。切り立つ地形を登ると、城の防御よりも川が作った大きな影に驚かされる。
- 麒麟山温泉の古澤屋は阿賀野川を望む鹿瀬の宿で、宿の案内には駅からの送迎も記されている。夕方の川を眺めながら、影は湯気に変わった。