LoqiRoam · 旅日記

湯気、土塁、石段の先で

松前から道後と松山中心部へ。湯屋、城跡、社、眺望、商店街、文化施設をつなぎ、小さな発見を集めた。

松前を出るときは、近場を少し歩くくらいの気持ちだった。けれど調べていくうち、道後の飛鳥乃湯泉から始めて、道後公園で城跡の線を拾い、伊佐爾波神社の石段で身体の感覚を足す流れが見えてきた。松山城へ上がると、さっきまで別々だった湯屋、堀、朱色の社殿が、山と市街の重なりの中でひとつにつながった。大街道では視線を高いところから人の歩く高さへ戻し、最後にミュージアムで松山の近代を静かに読み直した。集めたかった小さな発見は、建物全体が物語になること、芝生の下に歴史が眠ること、坂道が景色を連れてくること。どれも大きな事件ではないのに、帰り道を少しだけ豊かにしてくれた。

この旅の足跡

  1. 道後温泉別館の飛鳥乃湯泉は、飛鳥時代をイメージした意匠と愛媛の伝統工芸が重なる湯屋。湯船だけでなく建物全体が物語のようで、少し驚いた。
  2. 道後公園の湯築城跡は、常時開園の公園に堀や土塁、武家屋敷の復元が残る。芝生の気軽さと中世の輪郭が同居していて、歩くほど不思議に見えてきた。
  3. 伊佐爾波神社は長い石段の上で、朱色の社殿と八幡造の華やかな姿を見せる。息を整えながら上る道そのものが、景色への前置きになっていた。
  4. 松山城の天守からは松山平野と瀬戸内海を広く見渡せる。道後で見た湯気や石段まで地形の中に収まり、町が急に一枚の地図になったようだった。
  5. 大街道商店街は全長483メートルの全蓋式アーケードで、飲食や果物の店が並ぶ。観光の中心なのに買い物の歩幅は普段着で、眺望の後にほっとした。
  6. 坂の上の雲ミュージアムは9時から18時30分まで開館し、秋山兄弟や正岡子規に関する展示を紹介する。旅の最後に、松山の近代を静かに読み直せるのがよかった。
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