LoqiRoam · 旅日記
北山で、予定より多く曲がった
北山の社寺から現代文化、パンの休憩、西公園の緑へ、曲がり角ごとに旅の速度を変えた。
北仙台から出たときは、目的地をひとつに決める気がなかった。住宅街の角を選び、青葉神社で街の時間が急に深くなる。輪王寺の庭園では歩く速度を落とし、資福寺へ続く小径では、道そのものが旅の理由になった。そこからせんだいメディアテークへ向かうと、古い寺町の静けさがガラスと映像の文化へ反転する。展示の余韻は、定禅寺通のパンの匂いにあっさり負けた。最後は西公園と広瀬川の気配へ逃げ込み、食べたものと見たものをゆっくり混ぜる。名所を効率よく並べた一日ではない。曲がるたびに、次の場所を選ぶ気分が少し変わっていった。
この旅の足跡
- 青葉神社は伊達家の旧家臣団が中心になって1874年に創建された場所。静かな境内に入ると、北仙台の住宅街が急に歴史の入口へ変わった気がした。
- 輪王寺の仁王門をくぐると、街中なのに庭園の湿った静けさが広がる。樹齢を重ねた木々の前では、歩くより立ち止まるほうが正しい気がした。
- 資福寺は北山五山のひとつで、境内へ続く小径が印象に残る。寺町の道は目的地へ急ぐためではなく、曲がるたびに気配を変えるためにあるらしい。
- せんだいメディアテークは美術や映像文化の拠点で、開館は9時から22時。ガラス越しの街を眺めると、外を歩いてきた時間まで展示の一部に見えてきた。
- UP!BAKER定禅寺本店は購入したパンを店内のイートインで楽しめる。展示のあとに焼きたてを選ぶと、頭で歩いていた旅が急に足元と胃袋へ戻ってきた。
- 西公園は仙台で最も歴史ある公園のひとつで、広瀬川沿いの散策路と芝生がある。人の流れから少し離れると、今日選んだ角々が静かにほどけていった。