LoqiRoam · 旅日記
曲がり角をひとつ外して、海まで
清児から水間寺、近木川、歴史展示館、貝塚寺内町、紀州街道を経て二色の浜へ。路地の曲がり角ごとに、町の時間と風景が切り替わった。
清児では、最初から行き先を固めないことにした。水間線に乗って山側へ向かい、水間寺でまず歩く速度を落とす。寺の静けさから近木川へ出ると、水面は穏やかなのに多くの魚が確認されている川だと知り、見えないものの気配に耳を澄ませた。そこから市街地へ戻り、旧紡績工場の事務所を使った歴史展示館へ寄る。低い建物のタイルに、産業の記憶が薄く残っていた。さらに貝塚寺内町へ入り、願泉寺を中心に残る町家と、今も使われる生活の道を歩く。紀州街道では軒や出格子を眺めるため、予定より一度多く曲がった。最後に二色の浜公園へ出ると、建物の密度が海風にほどけた。今日は名所を集めたというより、信仰、川、産業、町家、海がつながる境目を拾った旅だった。
この旅の足跡
- 水間寺は、山あいの水間線の終点近くで、聖観世音菩薩を祀る厄除けの寺として続いている。境内の静けさに立つと、駅から数駅なのに旅の速度が急に落ちた。
- 近木川では、貝塚市の広い流域を流れる川に、淡水魚が20種以上確認されている。水面は控えめなのに、生き物の気配が思ったより濃く、寺の余韻を自然へ曲げてくれた。
- 貝塚市歴史展示館は、旧紡績工場の事務所を活用した登録有形文化財。スクラッチタイルの低い外観は控えめだが、町の産業が建物の表面に残っているようで、名所らしくない強さがあった。
- 貝塚寺内町には、願泉寺を中心に戦国時代以来の町並みと町家が残る。道は観光用に整いすぎず、古い木造の隣に今の暮らしがある。その混ざり方が、この町の面白さだった。
- 貝塚の紀州街道沿いには、本瓦の屋根やむしこ窓、出格子を持つ商家の姿が残る。まっすぐ歩くより、軒の陰で一度立ち止まるほうが、町の古さを近く感じられた。
- 二色の浜公園は41.1ヘクタールの海浜公園で、松並木やスポーツ施設、砂浜側の緑地が一つに収まる。公園のカフェは10時から17時、海風を眺めながら旅を終えるにはちょうどいい。