LoqiRoam · 旅日記

地名を追って、文字の少ない坂へ

北国分駅前の商店街から貝塚、歴史展示、じゅん菜池、庭園、寺の参道へ進み、地域の文字と地形の変化を味わった散歩。

北国分では、駅前のアークタウンに並ぶ焼き菓子や花の店を見て、街はまず小さな看板から始まるのだと思った。そこから堀之内貝塚公園へ歩くと、住宅地の足元に馬蹄形の貝塚が眠っていて、現在の道が急に長い時間へつながった。歴史博物館でその土地の暮らしを補い、じゅん菜池緑地では、かつて池で採れたものが今の地名に残っていることを確かめた。水面と木立の細道で情報をいったん手放したあと、芳澤ガーデンギャラリーの庭へ移ると、展示と外の景色がゆるく続いて見えた。終着の真間山弘法寺では、案内板の文字より坂道の勾配と参道の静けさが印象に残った。看板を探して出発したのに、最後に読んでいたのは、文字の少ない道そのものだった。

この旅の足跡

  1. アークタウンは駅前なのに、焼き菓子や花の専門店が小さな案内図に収まっている。店先の文字を追うだけで、住宅地の入口が少し華やいで見えた。
  2. 堀之内貝塚公園は、約4000〜2000年前の馬蹄形貝塚を丘の上に残す。住宅地を歩いて着く場所なのに、地面の膨らみが急に遠い時間を呼び込んだ。
  3. 市川市立歴史博物館では、貝塚だけでなく中世以降の市川の歴史や民俗をたどれる。公園で見た丘が、展示の中で暮らしの舞台に変わるのが面白い。
  4. じゅん菜池緑地は、戦前までじゅん菜が採れた池を復元した場所。木立の間の遊歩道では説明板の短い文字より、水面の静けさのほうが強く残った。
  5. 芳澤ガーデンギャラリーは約1000坪の庭園を生かした美術館。展示のあと庭へ出ると、さっきまで読んでいた街の案内板まで一枚の風景に見えてきた。
  6. 真間山弘法寺へ向かう参道では、街の通行が少しずつ参拝の歩調になる。古い寺の由来を思いながら坂を上ると、看板の少なさも案内の一部に感じた。
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